第二話 「英雄と魔物」

ノルダリア「アグルーね・・・ちょうど私達にはお手ごろって
      ものかしら?」

3人はアグルーの洞窟へ来ていた。
アグルーとは、大きなネズミのようなモンスターで、
低レベルの冒険者達には最適である。

ネロネバルス「早くレベル上げてドカンと一発大技放ちたいよ」

マイルコークト「今はこれで我慢しなきゃ・・・無理にボスんとこ
        行って死んじゃったらヤバイから」

一応この洞窟にも小ボスが住みつくことがある。
ノルダリアたちのレベルではまだ倒すことは出来ないが。

マイルコークト「まぁ今はせいぜいこれで経験値稼ぎするってことね」

マイルコークトがある1匹のアグルーを倒そうとしたその時・・・

ノルダリア「ん!?ちょっとまって!!!」

彼女はメガネをかけなおし、じっとマイルコークトの倒そうとした
アグルーを見つめた。

ネロネバルス「どうかしたの?」

ノルダリア「このアグルー・・・何かおかしい・・・」

ネロネバルスやマイルコークトもかがみこみ、
そのアグルーを観察した。
確かに・・・どこかおかしいようだ。
普通のアグルーは毛の色が銀色がかった灰色だが、
このアグルーは毛の色が黒ずんでいた。

ノリダリア「まさか・・・ウィルス感染?」

ネロネバルス「何の?」

ノルダリア「知らないの?最近原因不明のウィルスがはやっててね
      モンスターに寄生して・・・」

そこで彼女は少し青ざめた。

ノルダリア「脳を食い破るのよ・・・         オェ」

ネロネバルス「ゲボォオオオオオオオ!!!」

マイルコークト「グェエエエエエエエ!!!」

2人はその場ではいた。
大げさかもしれないが、
ネロネバルスとマイルコークトはグロいことが苦手なのだ。

ノルダリア「人間にも感染するわ・・・触っただけでね」

ネロネバルス「マイルコークト!!まさか・・・」

マイルコークト「触ってない触ってない触ってない触ってない!」

すると、そのアグルーに異変が起きたのだ。
その場をぐるぐるとまわり、口から泡を吐く。
やがて仰向けになり、もがいた。
そして、さらに恐ろしいことが・・・

マイルコークト「何、これ・・・」

アグルーの頭が緑色に変わって行ったのだ。
やがてその頭ははちきれそうなくらい膨れ上がり・・・

グシャリ

破けてしまった。

ネロネバルス「ちょっと・・・そろそろやばいんじゃない!?」

マイルコークト「いきなり表現がすごくなってきたよ・・・」

破けたところからなにやら黄緑色の煙のようなものが出てきた。
それを見た瞬間 ノルダリアは急いで2人の手をつかんだ。

ノルダリア「急いで!!この洞窟から抜け出すんだよ!」

ネロネバルス&マイルコークト「え!?何があったの!?」

彼女はそれに答えず、いつもは隠してあった大きな翼を広げ
洞窟の出口へと向かった。

ノルダリア「あの黄緑色の煙はそのウィルスの卵よ!一粒でも吸ったら
      あのアグルーと同じことに・・・」

マイルコークト「マジ!?私達吸った!?」

ネロネバルス「しらんけどぉ とにかく大変だ・・・」

ノルダリア「とりあえず、近くの町へ戻って私の魔法で診察してみる」

ノルダリアは全力で近くの町へとはばたいていった。





                      〜続く〜