第十話 「不気味な夜」

ノルダリア「はい、シチューできたよ・・・どうぞ」

ライティア「ありがとう」

ライティアは静かにノルダリアからお椀を受け取った。
ノルダリア特製のシチューはほかほかと湯気を上げていて、とても美味しそうだ。

ライティア「さっきはごめんなさい・・・まだ、初心者なんで・・・」

ネロネバルス「ま、あたしたちのほうがレベル上だし、かんしy」

彼女が言おうとしたときマイルコークトがネロネバルスの口をあわててふさいだ。

マイルコークト「う、うん・・・コイツのことは気にしないで★」

ネロネバルス「フ、フギャ・・・(何だこのクソ!)」







木の上で炎が静かにゆらゆらゆれる。
ここいらは火を恐れるモンスターが多い。
今夜一晩は安心して寝れそうだ。
しかし、やはり火の見張りは必要だ。

カイル「俺が最初に見張る オカドリが1回目に鳴いたらネロネバルスがやれ」

オカドリは別名「時間鳥」と呼ばれるほど時を正確に知らせてくれる。
毎回決まった時間に、「キュゥウ」と鳴くのだ。

ネロネバルス「ちぇ・・・わかったよ」

ネロネバルスはふてくされながら一本の枝にもたれた。
と、そのとき。



ニュルルルルル・・・



ネロネバルス「・・・ん?」

マイルコークト「どーかした?」

ネロネバルス「こ、この枝の中からなんか音が・・・」

大きなナメクジが這うような気味の悪い音。
この枝の中から聞こえるのだ。

ライティア「ま、まさかまたモンスター!?」

ノルダリア「おちついて・・・ネロネバルス、枝を切ってみて。

ネロネバルスが恐る恐る大剣で枝を切り裂く。
と・・・



シャアアアアアアアアアアア!!



中から黒いねばねばとしたものが表れた。
スライム・・・というよりアメーバだ。

ライティア「・・・!」

ネロネバルス「キモ!」

そのアメーバから、1本の触手が伸びてきた。
此方の様子をうかがっているようだ。

ライティア「だ、だめ、いや!!!!」

ノルダリア「ライティア!動いちゃ駄目!」

しかし、ライティアにその声はとどかず、彼女はがむしゃらに菜が弓を振り回す。
と、その弓がアメーバの触手に当たってしまった!
触手はひきちぎれ、蒸気を出しながら体の中へ戻っていく。


シュウウウウウ・・・


アメーバがうなり声をあげる。
どうやら本気で怒ったようだ・・・




                          〜続く〜