第三話 「忍び寄る影」

ネロネバルス「ぅいっててててて・・・」

とある宿屋でノルダリア達は休憩していた。
さっきのアグルーの事件を調べていたのだ。

ネロネバルス「たかがアグルーのウィルスでこんなでっかい
       注射はないでしょ・・・」

ノルダリア「だめ 伝染病でもあるから、このくらいは入れなきゃ」

彼女は太い注射を持っていたバッグにしまった。
このかばんの中にはいろいろな薬が入っている。
すべてノルダリアが作っているものだ。

マイルコークト「これ・・・アグルーだけじゃなくてほかのモンスター
        にも感染するんだよね」

ノルダリア「うん だからほかにもさっきみたいな奴がいたら
      すぐに逃げてね」

そして注射がおわった3人は新たな狩場を探すため
宿屋を後にした。






?「グゥ・・・こ、これは・・・」

海沿いの大きな洞窟。
その中からうめき声が聞こえていた。

?「あぁ・・・俺もついにあれに・・・」

この洞窟の中に誰も入ったことがない。
噂ではこの中には死んだ海賊の魂が彷徨っているという。
しかし、噂は嘘か本当か、この声は何なのかは誰も知らない。





ノルダリア「あ ここじゃない?」

彼女は地図を指差した。
ここらにちょうど彼等にお手ごろなモンスターがいると、
近くの風車小屋で働いている農夫から聞いたのだ。

マイルコークト「地図の通り小川も流れてるから・・・」

ネロネバルス「だね」

ここのモンスターが伝染病に感染していないとは限らないが、
まずはかってみることにした。
それに、ここに来た目的はレベル上だけじゃない。
伝染病のことを調べるために、ほかのモンスターにもないか
探しているのだ。

ネロネバルス「しっかし・・・モンスターいないじゃん」

ネロネバルスは辺りを見回した。
あたりは一面の花畑のようで、
とてもモンスターがいるとは考えられない。

ノルダリア「でも確かにここだよね?」

2人が話していると、マイルコークトが手招きした。

マイルコークト「見て」

マイルコークトが指差しているのは小さくてかわいい花だった。

ネロネバルス「綺麗!こんなかにピクシーとかいるの?」

マイルコークト「待って!さわらないで」

彼女は慎重に近くにあった枝で花を触ってみた。
と・・・次の瞬間。


ガシュッ!!


その小さくてかわいい花びらが裂け、中から
鋭い歯が並んだ醜い口が見えた。
口は枝に噛み付くと、そのままバキリとおってしまった。

ノルダリア「なにこれっ!?」

マイルコークト「食肉植物メルダセコイヤよ 指一本でも触れたら
        この枝と同じ運命 まわりにいっぱいあるよ」

ネロネバルスは足元を見た。
そのすぐ隣で同じような小さな花がいっぱい咲いていた。

ネロネバルス「あっぶね・・・注意して歩かないと」

マイルコークト「踏んでも大丈夫なんだけどね・・・ベルティガエ村
        の周辺にも咲いてたから知ってるんだ」

倒す方法は、すばやく茎を切断し、根を掘り出すことらしい。
それは剣でほじくりだせば何とかなりそうだ。

マイルコークト「私は南のほうの感染を見てくるよ」

ノルダリア「私は東と西ね」

ネロネバルス「んじゃー私は北!」





                            〜続く〜