第四話 「新たな危機」

ドクン・・・


ドクン・・・


?「なんだ・・・この音は・・・」

薄暗い洞窟の中で彼は目覚めた。
今まで眠っていたらしく、この音で起きたらしい。

?「ふん・・・俺ももうあの世いきってことかよぉ・・・」

彼はそばに落ちていたロケットを拾った。
ロケットの模様は、たぶん自分が刻んだもの。
パチリとロケットのふたを開けると、そこに写真は無く
一枚の梟の羽がはさんであった。
その隣に、何かが書かれた小さな紙切れも。
彼はその紙切れを読んでみた。


『カイルへ
 
 今、何をしてる?私は捕まっているけど元気です
 食事はおいしくないし、お風呂にも入れないけど生きてるよ
 でも早く助けてください 
 
 ??より』

カイルは彼の名だ。
そんなものはとっくの昔にわすれてしまったようだが。
その手紙を書いた人の名前のところがちぎれていた。
長い年月の間に風化したのだろうか。


ドクン・・・


カイル「くそ・・・またか・・・」

再び頭痛がする。
もう死を覚悟しなくてはならないのか。
彼はあきらめたように、また石を枕にし、眠った。





ネロネバルス「お〜い!あったよぉ〜!!」

遠くからガスマスクをつけたネロネバルスがやってきた。
万が一のときのために、装備は万全だ。

マイルコークト「マジ!?」

ネロネバルス「色がおかしい花があった すぐに破けそうな奴がね」

マイルコークト「早くノルダリアに知らせよう!」

マイルコークトは雫の杖を一振りした。
と、杖が瞬き、中から何かが飛び出してきた。
小さな羽根のついたスライムだ。
マイルコークトの召喚獣らしい。

マイルコークト「しずく!ノルダリアの所にいってこれを伝えてきて」

スライムはマイルコークトから伝言をうけると、
ものすごいスピードで飛んでいった。



約2分後、ノルダリアがしずくと共に飛んできた。

ネロネバルス「こっちこっちぃ!」

3人はネロネバルスの道案内で問題の場所に向かった。
しかし、その場所ではさらに恐ろしいことがおきていたのだ。





マイルコークト「ね・・・これヤバくない?」

3人の視線の先には、一面のメルダセコイアがあった。
普通のメルダセコイアではない。
花弁の先から根元まで、黄緑色一色に染まっていた。
メルダセコイア以外の植物も、茶色くなっていたり、
枯れていたりした。

ネロネバルス「さっききた時は1本だけだったのに・・・!」

ノルダリア「植物は感染が早いんだ・・・こうしてるうちにもほら!」

1本のメルダセコイアを中心に、周りの植物が次々と
枯れていっているのだ。

マイルコークト「こりゃ1発でやるしかないよね?」

ネロネバルス「でもそんな技もってない」

ノルダリア「炎魔法では花畑全体に燃え移るからだめだし・・・
      風や氷では完全に殺菌することは出来ないし・・・」

マイルコークト「そうだっ!!大地魔法!あれならいいんじゃない?」

しかし、3人の中に大地の魔法を持っている人はいなかった。
3人が話している間にも、感染は広がっていく。
と、そのとき・・・!

?「おねぇちゃーーーーーーーん!!」

何かの声がした。
そして次の瞬間、地鳴りがした。

ネロネバルス「な・・・地震!?」

ノルダリア「違う!これは何かの魔法・・・ハッ!!」

彼女は何かを思い出し、声のした方を見つめた。

ノルダリア「ハルチル・・・!」




                            〜続く〜