虫の命

私は、昆虫の蟷螂が、大好きです。
あるとき、家族みんなで山にいったときのことでした。
とても大きな蟷螂(たぶんメスだと思う)を見つけました。
ちょうどそのとき、近くで小さなバッタを見つけたので、
ちょっと実験のつもりで蟷螂にあげてみました。
するとやっぱり蟷螂は、鋭い前足で、バッタを
がっしりつかんだのです。
そのとき、わたしはそのバッタの瞳が、「たすけて」と、
訴えているように見えたのです。
やっぱりかわいそうかなと思って、
蟷螂の足から助けてあげようとバッタを引っ張ってみましたが、
蟷螂の足のぎざぎざがバッタのおなかに食い込んでいて、
はなれませんでした。
それからしばらくして、蟷螂はバッタをおいしそうに
食べ始めました。
「なんかわるいことしちゃったなぁ・・・」
私の気持ちは、うちに帰っても、重いままでした。
ずーっと考えていたんです。
はたしてあのバッタを蟷螂にあげたことはあっていたのだろうか。
あれでよかったのだろうか。
あのバッタも、もしかしたら元気な子供を産むはずだった
お母さんかもしれない。
虫が虫を食べるのは悪いことではないけれど・・・
やはり人間が自然に手を出したのがいけなかったのだろうか。
あなたなら、こんなことがあったらどう思いますか?