私の理性Ⅰ

私がいつも本能的に動いてしまうのはなぜでしょうか。
頭のどこかでいったんとまって考え直すことができず、
思った事をすぐに口にしてしまうのはなぜなのでしょうか。




私は今すごく複雑な気分です。




皆様ご存知、バーチャルアイドル初音ミクがいるでしょう。
大好きだ、という方もいるかもしれません。
そのほかにも、音声ソフトなどは多々あると思います。
実は私もVOCALOIDが好きです。
歌声自体が好きなのではなく、それをいっそう映えさせる
プロデューサーたちの独特な音楽にひかれていました。



しかし、こういった曲の中には不協和音など
身体的・精神的に影響のよくない音などが多く含まれている
そうです。
もしかしたら、私はそれが好きだったのかもしれません。
しかし、そのような音を毎日聞いてしまっていたらどうでしょう。
電子音の音は脳や鼓膜を強く刺激し、弱らせます。
特にイヤホンで聞いている方。耳に直接負担がかかるそうです。


それに、VOCALOIDの曲うちの殆どは、
精神的に病んだ音楽も多いです。
反社会的な考えを歌にぶちまけて、狂ったような音楽で
視聴者の耳にとどきます。



それ自体は悪いことだとは思わないのです。
私だって、気分が悪いとき、悲しいときはそれを
おもいっきり歌にして叫んでやりたい、とも思ったこともあります。



ですがそのような音楽を毎日のように聞いていたら
どうでしょう。
まるで自分の気持ちまで歌の中の闇に覆いつくされて、
まったく経験して無くても同じような反感的な気持ちを
味わうことになるでしょう。
私が聞いている音楽の中でも、いじめが辛い、自殺したいなどの
意味をもった曲も数多くあります。
私は、それを知っていていつも聞いていたのでした。




本当はそれを聞くのに罪悪感を持っていました。
曲を聞くだけで被害者気分になる、自分が不幸だと思ってしまう、
など。気づいていたのです。
でも「リズムがかっこいいから」「この激しい音楽が好き」「歌詞に同感できる」などの理由で聞いていたのです。



私の心の奥底にある感情が、それを求めていたのでしょうか。




そして 私がVOCALOIDの歌について悩んでいるもっと前から
私の両親は私がそれらの音楽を聞いていることを心配して
いました。
特に、私の父は曲を聞いた時点で聞くのをやめた方がいい、と
私に指摘していました。
そのときはまだ父の言うことは聞きませんでした。
私の趣味なんだから、パパは口出ししないで!パパが嫌いなら、別の部屋で、イヤホンで聞くから!もうその時はすでに、
コレを聞くと私自身おかしくなるということを知っていながら。




次にお母さんがイヤホンをしばらくやめるように
私に言いました。その時も、
母は機械の音が嫌いだと知っていて
ママに聞かれないようにと、ずっとイヤホンで大音量で音楽を聞きながら絵を描いていたのです。
音漏れするほどの音量で。



母が言うには、一つ。イヤホンは耳によくない。直接振動するので
鼓膜を傷つける。もう一つ。私は、イヤホンで音楽を聞いていない日は、イライラしていないというのです。もっとも、イヤホンで
聞くのは東方プロジェクトの音楽とVOCALOIDの曲くらいでしたが。
たしかに、イヤホンで音楽を聞いた後は私はなぜか喧嘩腰でした。
だるい口調、何に対してもムカムカする。自覚していました。
でもそれを認めたくありませんでした。素直に
なれなかったのです。
VOCALOIDの曲を聞いてると知られたくないから。
好きだと知られたくないから。
お母さんは、いつも「貴方が好きならそれでいいのよ」と
優しく私に言ってくれましたが、
やはりVOCALOIDのことをあまり好ましく思っていないのは
確かでした。




そして・・・母の言うことを聞かずイヤホンを使い続けた結果、
しばらくすると耳鳴りがしたり、ゆっくり波打つような波長の音が
耳のそばで聞こえたりしました。それはもう、毎日のように。
痛みもありました。ビリビリとする感じの。
病院にいくと、聴力が落ちていると言われました。
あの時、お母さんの言うことを素直に聞いていたら、
こんなに嫌な思いをしなくてよかったのに。
本当に後悔しました。私自身の体に謝りたいくらいでした。





なぜ、そのような曲を欲してしまうのか。
「やめたほうがいい」という理性に逆らい、
思うままに激しい音楽を聞いてしまうのか。


その理由は、ストレスにありました。


〜Ⅱへ続く〜