メイプルストーリー小説 2部 「巡る輪廻」

結構テンポよくすすみます、長くてすみません。
どうでもいいけどレリックさんとうちのエコー先生キャラカブリーングしてないかなーなんて思ってたり。



キラール「ねぇオチャマル 未炎ってどんな人だったの?」

オチャマル「とにかくそそっかしい人だったでござる たまにはながい間ゴハン
      くれなかったときもあったでござる やたらにトイレをさせられもしたで 
      ござる でもよく拙者のことを『愛してる』って言ってくれたでござる」

なるほど・・・いくつか私と似ていることがある・・・
私もたまにしつこくミリュウをぷにぷにしたりと。

オチャマル「疲れたときは絵を描く椅子に座って『休憩』といっていたでござる
      そそっかしいからお金のために薬を全部売ってその後すごく困ったことも
      あったでござる・・・でもなんか楽しかったでござる こういう形でも
      ご主人にめぐりあえたのも奇跡でござる!」

すると、オチャマルは突然私の前にひざまづいた。

オチャマル「どうか、また拙者のご主人になってほしいでござる!この通りでござる!」

キラール「え、あ、あの・・・」

私はどうしようか迷ったが、オチャマルを抱き上げ、膝元に乗せた。

キラール「もちろんだよ!よろしく オチャマル」

オチャマル「本当でござるか!?う、うれしいでござる!」

オチャマルは私のひざの上でぴょんぴょんはねた。

オチャマル「ところで・・・キラール殿はなぜこんなところでじっとしているので
      ござるか?」

キラール「あ、そそれね・・・実は・・・」

私がわけを話そうとした、そのとき・・・
目の前に黒い炎が現れた。
黒い炎は渦を巻き、こっちに近づいてきた!

オチャマル「ぬっ!く、曲者!」

オチャマルは勇敢に黒い炎の前に立ちはだかった。
が・・・次の瞬間オチャマルは黒い炎に飲まれてしまった。

オチャマル「苦しいでござる!!はなすでござ・・・」

キラール「オチャマル!!」

私がオチャマルを引っ張り出そうとした、そのとき・・・

黒い炎「それ以上近づくな!」

炎が喋った。

黒い炎「こいつを助けたければ魔法の鏡をわたすんだな」

キラール「な、だっ、だめだよ!この鏡は大切なものなんだから!」

私は黒い炎に向かってパンチをした。
が、そのとき黒い炎から腕が出てきた私の手をつかんだ。

黒い炎「お前ごときに私が倒せるとでも思うのか?キラール・ヴェルガモット・オスカー
    ふふふふ・・・」

キラール「ど、どうして私の名前を・・・」

そんな・・・わたしの本当の名前は私とミリュウしか知らないはずなのに!!

黒い炎「どうしてか教えてやろうか・・・その前にコイツを!」

炎から黒い腕が何本も伸びてきて、私の首の鏡を紐からちぎりとった。

キラール「や、やめろ!返せ!」

黒い炎「フハハハハハハ!!!!さぁ・・・お前にこれが取り返せるか!?」

わたしは黒い炎へまた攻撃をしようとした。
が・・・今度は私の体ごと炎に包まれてしまった・・・

キラール「うっ・・・だめ・・・意識が・・・」

そのあと、わたしは炎の中で眠ってしまった。
深い深い、恐怖の眠りについたのだった・・・




ひっそりとした闇の中、私にはあるものが見えた。
紫色のフードをかぶったデュナスとアーシア 
その前にいる私にそっくりな未炎。
少女は何かを叫んでいた。
が、その叫びもむなしく、少女は光に飲み込まれていった。
まてよ?これは身に覚えがあるような・・・

黒い炎「思い出したか?自分の前世を・・・」

はっ!!
これは・・・これは・・・!


そして私の頭の中にビデオの巻き戻しのようにいろいろな記憶が
浮かんできたのだ。
右から左へと、上から下へと、記憶はめまぐるしく流れる。

キラール「やめて!!頭が・・・痛い!」

黒い炎「頭が痛い?それはよかったな」

頭の中に、私の名前がこだましてくる。

(キラール ヴェルガモット オスカー)

(さぁ、早く命を吹き込んで!)

(キラール・・・そうキラールだよ!これで・・・これでいいんだ!)

(あの人はわかってくれるかな?そっくりだからきっと気づくよね?)

(できれば自分の体でいたかったぁアアア!!)

キラール「何の声だよ!?うるさいうるさい!だまれっ!」

黒い炎「自分が言ったことも忘れたのかキラール」

キラール「自分が言ったこと!?」

黒い炎から腕が伸び、私の額に手を当てた。

黒い炎「お前の名前は、未炎と私がつけたものだ 私はお前の生みの親なのだキラール」

キラール「ふ、ふざけないでよ!何であんたなんかの・・・」

黒い炎「実をいうと、おまえは人間ではない お前は未炎が作った・・・」

黒い炎が渦巻き、やがて黒いフードをかぶった人の形になった。

黒い炎「人形だ」

キラール「に、人形!?私の体は誰かが人工に作ったものなの!?」

黒い炎「ペットのように、お前は人形の体に未炎の魂を吹き込んだものだ
    正確に言えば、生まれ変わりではない」

キラール「だまれっ!!じゃあ私は何のために生まれてきたのさ!?」

黒い炎「本当は人間は死んでも生まれ変わったり生き返ることはない だが、
    私の力は人の怨念を魂にすることができるのだ つまり
    私は未炎の魂に未炎の怨念を合わせ、お前の魂を作り出したのだ」

キラール「で、でもさっきの夢で、デュナスは確かに未炎を光の中に入れて・・・」

黒い炎「アイツは嘘をついていたのだ お前を作るのに関わった人数は多いぞ」

まて・・・いきなりこんなことを言われてはよくはわからない・・・

キラール「デタラメだそんなの!第一お前は誰なんだ!!」

黒い炎「私か?私はな・・・」

黒いフードの中に、二つの冷たい炎が見えた。

黒い炎「皆からは・・・暗黒の魔法使いと呼ばれているな」

キラール「暗黒の・・・魔法使い!?」

ベインがいっていた・・・あれが・・・!
ノーチラスの周辺でも暗黒の魔法使いの手下がうろうろしていると、
わたしはその手下を倒せと依頼されたのだ。
その・・・ヤツが、わたしの目の前に・・・

キラール「私を・・・どうするの!?」

暗黒の魔法使い「そうだな・・・もうすぐお前の魂が燃え尽きる いっそ新しい魔物と
        して作り変えてやろうか?」

キラール「だめっ!!それだけはだめぇええええ!」

魔法使いの手に闇の光が集まった。
もうだめ!と思ったそのとき・・・

ミル「キラーーーーーーールウウウウウウ!」





勇ましい声のほうを見ると、そこには半透明に輝くミルの姿があった。

キラール「ミル!!なんでこんなとこに!?」

ミル「これはマスターが作ってくれたボクの分身なんだ!早くボクに乗って!
   時間がたつと分身が消えちゃうから!」

私はミルの背中に上った。

暗黒の魔法使い「ふふふ・・・私から逃げられるとでも思っているのか?」

ミルは魔法使いをキッとにらんだ。

ミル「へ〜んだ!お前なんてマスターに鍛えてもらったこのボクが簡単に倒してやる!」

ミルの口から吹雪が放たれた。
吹雪は暗黒の魔法使いを包んだ。
が・・・魔法使いはそれを受け流したではないか!

暗黒の魔法使い「馬鹿なトカゲだな それでもオニックスドラゴンなのか?」

ミル「なぁあああああああんだぉおおおおおお!?」

ミルの額の模様が眩く光った。

ミル「ボクの悪口を言ったな〜!許さないよっ!」

ミルの前に大きな魔法陣が現れた。
方陣はくるくると回転しながら、暗黒の魔法使いのほうに向かっていった。

暗黒の魔法使い「マジックフレアか・・・やるではないかトカゲよ」

暗黒の魔法使いは手を魔方陣にかざした。
すると、魔方陣は黒色に燃え上がり、私達のほうに跳ね返ってきた!

ミル「うぅううううう!!」

ミルが苦しそうな声を上げる。
後ろにいる私の盾となってるのだ!

キラール「ミル!!無理しないで!」

ミル「大丈夫・・・ボクこれでくたばったら・・・マスターを守れ・・・」

ミルは私に笑顔を向けたが、すでに翼がボロボロになっていた。
と、次の瞬間、さらに恐ろしいことが起きたのだ!

ミル「うっ・・・か、体が・・・」

なんと、ミルの体がどんどん黒くなっていっているではないか!

暗黒の魔法使い「こいつはなかなか使える・・・私の手下になれ」

ミル「やだっ!!ボクはマスターを・・・みんなを守るんだっ!」

ミルは黒い魔法陣を振り払おうとしたが、角の先からどんどん黒く染まっていく・・・

キラール「だ、誰か助けてーーーーーー!」

私は力の限りに叫んだ。
こんな中、誰も助けに来てはくれないだろうが・・・
と、思ったそのとき・・・!

暗黒の魔法使い「!?」

ミルを包んでいた魔法陣が光となって消えた。

暗黒の魔法使い「き、貴様は・・・!」

暗黒の魔法使いの視線の先を見ると・・・
そこに白く輝く大きな鳥がいた。
細長く、美しい翼を羽ばたかせ暗黒の魔法使いを見下ろしている。

鳥「クルルルルルルルルッ!!」

鳥は一声鳴くと、さらに大きく羽ばたいた。
大きな翼が動くたびに、翼から光が飛び出す。
その光は、ナイフのように暗黒の魔法使いに刺さっていく。
さらに・・・
その光がミルの体に触れると、黒くなっていた部分が徐々に
元の色に戻っていった。

キラール「こ、この鳥は・・・」

暗黒の魔法使いはかなわぬとみて、再び黒い炎となって消えた。





再び船室に静寂が戻った。
これで死んだとはいえないが、しばらくは暗黒の魔法使いは出ないだろう。

キラール「ミル、ミル 大丈夫?」

ミルの分身は返事をしなかったが、眠っているようだった。
たぶん向こうにいるミルも同じことをしていたんだろう。
きっと今は寝ているに違いない。
それにしても、さっきの鳥はなんだったんだろう・・・
私は立ち上がり、部屋を見回した。
ふと下を見ると、白いふわふわとした鳥の羽が落ちていた。
それと一緒に、牢屋の鍵も・・・




牢屋の鍵・・・?
リュウがとってきたのだろうか?

キラール「ミリュウ・・・?いるの?」

私はミリュウを呼んでみた。
だが、返事がない。
いつもならすぐ飛んできて肩にとまるはずなのに・・・
気がつくと、ミルが目を開けていた。

キラール「ミル 大丈夫だった?」

ミル「う〜ん・・・ハッ!こうしちゃいられないんだ!」

ミルはさっと起き上がった。

ミル「後15分で分身が消えちゃう 早くボクの背中に!」

キラール「で、でもミリュウは?」

ミル「かわ