第十四話「モンスターの集落」

ネロネバルス「やった・・・!日の光だ!出られたぉ!」


ノルダリア「この方角で行くと・・・」


ノルダリアは例の地図を開く。
まっすぐ進んでいけば、ある一つの村に着く。
そこにはシャペというゴブリンのような
モンスターが住居を作って
暮らしているそうだが、どんなモンスターにも
友好的なので、そこでとめてもらうことにした。


マイルコークト「私達が助かったのもハーちゃんのおかげだよ、
        ありがと・・・」


マイルコークトがハルチルに礼を言おうと振り向くと、
今回の事件で疲れてしまったのか、
彼女は姉に寄りかかりすやすやと寝ていた。


ノルダリア「有難う、ハルチル・・・ 私がおぶっていくから、
      シャペの村で一休みしましょうか」


ライティア「カイルの状態も良くないし・・・しかし
        感染した彼を受け入れてくれるのかしら」


見ると、カイルも酷く疲れているようで
顔色がとても悪い。(もともと青白いが)


ネロネバルス「とめてくれなかったらぶっつぶす♪」
     

マイルコークト「まったく、過激なんだから・・・」








グリ「・・・?」 


シャペの村の近くで果物を摘み取っていたモンスターの少年は
ふと何かの気配を感じ、村へ向かって走り出した。


グリ「長老! 見た事無いモンスターがこの村にやってくるよ
   ざっと5人くらい・・・」


長老「わかっておる、グリ  そやつは人間というのだ。
   お前は初めて見るな・・・凶悪なやつもおるが、
   感じる気配からすると悪しき者ではなかろう」


長いひげを蓄えたシャペの村の長老は、
メガネをかけなおし、窓の外を見た。


長老「しかし今回の客からは何か特別な力を
   感じ取れるがのう・・・ グリ、皆の衆に伝えておくれ
   お客さんをもてなしてあげなさい」


グリ「はい!」


青い目の若いシャペは長老の家から駆け出し、
みんなにそのことを言いに回った。





しばらくすると、草陰からなにやら怪我人を背負った
人間が4〜5人出てきた。
村の住民はわらわら家から出てくる。


マイルコークト「言葉、わかる?」


ノルダリア「少しなら・・・泊めてもらえるかどうか
      聞いてみよう」


彼女は近くの小さなシャペに話しかけた。


ノルダリア「ナエル、ウェクト シェケンガ?」


すると小さなシャペは嬉しそうに飛び上がり、


シャペ「ウル!ウェクト!ウル!」


ついてきてというように
手招きした。


ライティア「何ていってるの?」


ノルダリア「長老の元へ案内してくれるって」


ネロネバルス「腹減った〜アイサツの前に、メシだメシ!」


結局、ノルダリアは1人で長老と面会しに行くことになった。
他はカイルの手当て。
彼女は小さなシャペについていき、1つのとりわけ高い
住居の前に立った。





〜続く〜