第九話 「ウィルスの狂気」

ネロネバルス「ねぇまってよ!どこまで行くの!?」

カイル「た・・・確かにこっちからだ・・・」

カイルは茂みをかき分け、悲鳴の聞こえたほうに進んでいく。
と、そこにいたのは・・・




ノルダリア「アグルー!!!」




沢山のアグルーが、誰かを囲んでいたのだ。
しかも、皆ウィルス感染している。

?「ぎゃああああああっ!!こ、こないで!!!!助けて!!!」

声からすると襲われているのは14,5才くらいの少女。
しっぽと猫耳があり、どうやら獣人のようだ。
武器の長弓にしがみつき、涙目でこっちを見つめる。
ネロネバルスがすかさず弓を構える。

ネロネバルス「待って!熱いけど我慢してね!」

彼女は矢にふうっといきを吹きかけた。
と、矢の先に炎がともった。

マイルコークト「ネロネバルスは、確か炎の精霊だったよね」

カイル「うっせぇ!説明はいいから始末しろ!」



ビュン!!!



炎の矢は1匹のアグルーに突き刺さった。
そこから火が燃え出し、ほかのアグルーにも移る。

?「いやぁああああああああ足に上ってくるなぁああ!!!!!!!!」

少女は相変わらずヒステリックに叫び、じたばたもがく。

ノルダリア「くっ・・・動かないで」

ノルダリアは素早く呪文を唱えた。
次の瞬間冷気が降り注ぎ少女の足元のアグルーを氷結させた。

カイル「うらうらうらうらぁあああああ!!!」

となりがやたらに眩しいと思ったら、カイルが連続で銃を撃っている。

マイルコークト「なんて数!?」

ネロネバルス「一体どこからわいてんだよ!」

狩っても狩ってもきりがない。
ここはいったん引き上げることにした。

マイルコークト「ねぇ、大丈夫?私につかまれる?」

?「う、うん・・・なんとか」

マイルコークトは少女を背負い、走り出した。
前から襲ってくるアグルーをなぎ払い、追いかけてくるアグルーは
カイルが殺している。

ノルダリア「あ、あそこに上って!」

ノルダリアは岩を駆け上り、大きな木の下に行った。

ネロネバルス「ここなら追ってこないね」

?「あ・・・ぎゃぁああああああああああああ!!!!!」

カイル「っまたなんだよ」

?「そそそそそそそれ!」

どうやら少女が見ているのはカイルの体の状況のようだ。
あんなにひどいことになっているのなら叫ぶのも無理もない。

ネロネバルス「ウィルス感染だけどきにしないでね」

?「気にせずにいられませんーーーー!!!」

ノルダリア「ね、ねぇ落ちつこうよ、貴方誰?どうしてここに?」

少女はようやく周りの状況が分かったようで、息を切らしながらも
説明した。

ライティア「私は・・・ライティアと言います 魔王モルデンゲラーを倒すため、
      故郷を出て弓使いになったのですが・・・
      レベル上げも順調に行ってたところアグルーに囲まれてしまいまして
      ・・・あなた方はモンスター、しかもウィルス感染している
      のと一緒にいて平気なのですか?」

カイル「ケッ・・・ぁんだバイキン扱いしやがって」

ノルダリア「一緒っていうかまぁ、途中から会ってすこし・・・」

ネロネバルス「こっちこそこんなやつと一緒にいるなんて思わないで欲し・・・」

マイルコークト「コラ」

とりあえず、なんだかまとまりがないが
この木の上で野宿をすることにした。
ここらの夜行性のモンスターは
木には登ってこないらしいので、安全だ。




                                 〜続く〜