第六話 「運命は巡る」

マイルコークト「ふぃ〜・・・おわった・・・」

ノルダリア「ネロネバルスやっぱ怪力ねぇ・・・」

ネロネバルス「えへへっ 戦士だけはあるでしょ」

何とか巨大な岩は片付いた。
といっても、近くの大きな湖に沈めただけだが。

ネロネバルス「さ〜て一仕事終わったし、メシ食いにいくか!」

ノルダリア「うーん・・・今月で財布が空っぽになりそうだわホント」

マイルコークト「最近ネロネバルス太ってきてない〜?」

ネロネバルス「んなわけないでそ!」







??「カイル・・・早く来て・・・」

少女は牢獄の片隅にうずくまっていた。
服はぼろきれのようで、体は泥まみれ。
少女は泣きながら落ちていた羽をいじる。
あの人のロケットには羽をはさんでおいたなぁ・・・
見てくれているといいな・・・
そんなことを考えながら、少女は羽を並べて遊んだりした。

見張り「おい未炎 さっさと来い 労働の時間だ」

未炎と呼ばれた少女は見張りの鞭によって牢獄からたたき出された。
細くなった腕から血が滴る。

未炎「もう・・・やめろ・・・私をいじめて何が楽しい!?」

見張り「明陽とやらの居場所を明かさない限り、貴様はとらわれの身だ」

未炎「明陽様はもう亡くなった!ずっと前の話だぞ!」

見張り「ふふふ・・・明陽がいるかどうかは貴様の羽が教えているのだぞ
    あの人はどこかで生きていると顔に書いてある!」

見張りの男は未炎を蹴り飛ばし、壁に突きつけた。

未炎「ウッ・・・」

見張り「おとなしく言うことを聞かなければ貴様の目玉を抉り出してやる
    鏡は井戸の水汲みだ さっさと働け」

少女は悔しそうに涙目で見張りを睨み、2つのバケツを持って
井戸へと向かった。

未炎「助けて・・・カイル」






ノルダリア「ねぇネロネバルス

ネロネバルス「何ー?」

ノルダリア「聞いた?海沿いの洞窟から声が聞こえるって」

マイルコークト「あの海賊の幽霊が出るってとこ?」

ノルダリア「そ、最近あの声がなんか苦しそうなんだって」

例のウワサはノルダリアたちの耳にも届いていたようだ。
もちろん好奇心が旺盛なネロネバルスはすぐに行こうとする。

マイルコークト「ま、まってよウワサでしょ?確かかどうかわかんないんだから」

ネロネバルス「いってみるだけいいじゃん!」

ノルダリア「もしその声の主がつっよいドラゴンとかだったらどうするの!?」

ネロネバルス「そのときはそのとき!まずはいこうぜ!」

彼女のわがままぶりに、2人はため息をつくしかなかった。






ノルダリア「よかった 地図に書いてあって」

海沿いの洞窟は地図にもはっきりと書かれていた。
ただ、そこにドクロマークがかいてあって『近寄るな 危険』という文字がある。

マイルコークト「どんなに強い冒険者でも、ここまでは来ないんだね・・・」

ネロネバルス「あったぁ!海沿いの洞窟!」

彼女が指差した先に中からぼんやりと緑色の光が見える洞窟があった。
ネロネバルスダッシュで中に入ろうとする。

マイルコークト「あ、あぁああちょっとぉお!」





洞窟の中は静まり返っていた。
まるでウワサは嘘のようだ。

ネロネバルス「こんちゃー・・・」

この洞窟はよく声が響く。
どうやら古い鍾乳洞のようだ。

ノルダリア「気をつけたほうがいいよ・・・」

ノルダリアは辺りを見回した。
と、そのとき・・・!




                                 〜続く〜