メイプルストーリー小説 1部 「私の冒険」

前の記事で出していた小説です。
一話ずつコピペしてくので大変です・・・。


ざっと登場人物

未炎


ヘロン


くるみん(クラルミン)


カリア・メルト




エリニアの樹木のすぐ近くで
わたしは双剣の練習をしていた
練習相手になっているは
(わたしより強くなくてはいけないので)
めんどくさそうにへロンがやっていた

未炎「つっかれたー・・・」

ヘロン「へっ そのくらいで?」

未炎「だって・・・朝からやってんだよ?」

ヘロン「だいたいなぁ ブレイドくらい変えろよ それレベル30のヤツだろ?」

未炎「えー どこでてにはいるの?」

ヘロン「おれにきくな」

ヘロンは近くの枝に座って私のことを見下ろしている

くるみん「あーぁ まだ剣のけいことかしたるの? そろそろやすんだらー?」

未炎「そーしたいけどこいつがからかってくんだもん」

ヘロン「おめーがなさけねぇからだろぉ?」

わたしはぷりぷりしながらそばにあった草を思い切り蹴っ飛ばした
正直言って今はとても暇だ
エストとかなにもないし特にこれといって行きたい場所もない

未炎「うにゃ ルディブディアムにでもブレイド買いにいこっかなー」

あぁ どちらかといえばクリムゾンウッドに行きたい
ヘロンのいた場所
でもいったら即死だなぁ・・・
なんてことを考えながらブレイドを磨く

くるみん「あたしも新しい装備ほしいんだけど」

ヘロン「おれァ つまんねーからエリニアでも襲撃してようかな」

くるみん「あのねー・・・」

未炎「いいよいいよ どうせ転職官にぼっこぼこにされるんだし」

ヘロン「いまなんかいったかぁー?」

ところがわたしはこんなことを思ってしまった
なんか・・・ 面白そうかも
エリニア襲撃?やって・・・みたい
でも即座にそんな考えを頭の中から消し、

未炎「いくよ ヘロンなんておいていこ」

わたしの知っているルートでは ルディブディアムに行くには
一回オルビス行きの船に乗らなくてはいけない
わたしとくるみんはリーフロードへ向かった

くるみん「ねぇ・・・ヘロン大丈夫かな」

未炎「世界征服ごっこでもするんでしょうよ」

くるみん「うーん それだといいんだけど」








わたしがルディブリアムにブレイドを買いに行ってたころ、
エリニアでは大変なことがおこっていたそうだ
ヘロンが魔法図書館から本を盗み出し
そこらじゅうを荒らしていたのだ
しかも運の悪いことにその本は魔法使いでなくても
本通りに魔法陣をかけばだれでも魔法を使えてしまうらしい

アルウェン「ハインズ様!森が・・・森が大変です!」

ハインズ「なに? ま、まさか・・・」

ハインズが向かった先は光る森の通路だった
元はそこはきれいな草木の生い茂るところだったが
いまではほとんどが灰になり、ところどころ紫色に変色していた
唯一無傷の木があったがその木の枝にはヘロンが座っていた

ハインズ「お前がやったのか?やめるんじゃ!」

ヘロン「あぁ?」

ハインズ「みなさい!ここらの木が全部だめになっているではないか!」

ヘロン「へっ 暇つぶしにはちょうどいいところだったぜ」

ヘロンは楽しそうにハインズの方をみながら
くるくると魔法陣をえがき始めた

アルウェン「あ、あれは!闇の魔方陣じゃないですか!?」

ハインズ「まずい・・・ヘロンはあれを覚えてしまったか」






ウィング「おいおい!きいたか?光る森の通路が大変なんだとさ!」

ロウェン「ええ!? あの海賊がエリニアに来たんですって!!」

エリニアではもう大騒ぎになっていた
ヘロンが来たというのはただ事ではない
もうほかの転職官を呼ぶとか援軍を集めるとか
とにかく妖精たちはあわてていた



そのころわたしとくるみんは
ブレイドを変えたあとホワイトチューとか
ブラックチューを狩っていた
と、そんなとき

レフトくん「僕たちもエリニアに行きたいものですねぇ」

ライトくん「でも今はエリニアは大変なことになっているらしいですよ
      あの貧血海賊が襲撃してるといううわさがあるんです」



未炎「・・・貧血海賊!?」

くるみん「ヘロンのことに違いないよ!だからおいてくのは心配だったんだ!」

未炎「とりあえず急いで戻ろう」

そんなわけでわたしたちはビクトリアアイランドに戻り
エリニアへと向かった
ちょうどわたしたちがエリニアについたとき
ヘロンとハインズは戦いの真っ最中だった
(わたしたちは木の陰に隠れた)

ヘロン「おらおらおらおらおらぁっ!!」

ヘロンはどこからともなくたくさんのサメを召喚し、
ハインズを攻撃している

ハインズ「おまえは確か神聖が弱点だったかな・・・?それっ!」

ハインズは手からまばゆい光を放った
この光にはわたしも目がくらんで周りが見えなかった
ヘロンもちょっと後ずさりしたが、あまりダメージを受けてないようだった
と、次の瞬間ヘロンは地面を思い切り殴りつけた

ドッカーーーン

ものすごい音でわたしは鼓膜が破裂しそうになった
くるみんも耳をふさいでいる・・・

???「おまたせーーーーーーっ!」

突然威勢のよい声が響いたと思うと
わたしの目の前に女の人が飛び降りてきた

ハインズ「カイリン!」

ヘレナ「大丈夫ですか?」

なんと転職官たちが勢ぞろいでやってきていた

カイリン「海賊は海賊の手でお仕置きしなきゃね!」

ヘロン「へへ・・・おれに遊んでほしいのかぁ?」

ヘロンは余裕でこういったが
わたしは陰でひそひそとこんなことを話していた

未炎「・・・ずるい」

くるみん「え?」

未炎「だって、1人対5人だよ!ヘロンには不利じゃん」

そんなことを言ってる間にもカイリンはヘロンと戦っていた

カイリン「まだまだいくわよーっ!」

カイリンはラピッドファイアをはなった

ダークロード「逃さないぞ・・・」

ダークロードも静かにヘロンに忍び寄った
が、気づかれてしまった

ヘロン「このおれを甘く見るなよォ!?必ずしも正義が勝つってことではないことを
    思い知らせてやるぜ!!」
ヘロンは不気味な笑いを浮かべ、ダークロードに襲いかかった






ヘロンがダークロードに襲いかかろうとしたその瞬間

グサッ

鈍い音がした
地面に血が滴り落ちている・・・
わたしはしばらくの間唖然となった
なぜなら、カイリンの腕に短剣が刺さっていたからだ
カイリンはちょうどそのときヘロンに銃を向けていた
そしてさらに驚いたのは
カイリンの腕に刺さっていた短剣を握っていたのは
わたしだった・・・


・・・その後のことはよく覚えていない
たぶんわたしは気絶したんだろう
ふとわたしは目を覚ました
しばらく頭がぼんやりしていたが
しだいに周りがはっきりと見えてきた
わたしの周りに転職官が座っている

コブシを開いて立て「だいじょうぶか?」

未炎「え?あ わたし・・・?わたしはだい・・・ってカイリン様は?」

カイリン「わたしなら平気よ」

腕に包帯を巻いたカイリンがやってきた

未炎「さっきは・・・ごめんなさい なんかひとりでに腕が動いてしまって・・・」

カイリン「大丈夫だって!海賊の転職官がこのくらいで倒れるわけないじゃない!」

カイリンは笑いながらわたしの背中をぽんとたたいた
未炎「あっ・・・ヘロンは?ヘロンはどうなりましたかッ!?」

と、そこへヘレナがやってきた

ヘレナ「申し訳ありません 逃がしてしまいました・・・」

ダークロード「逃げ足の速いヤツだな」

ヘレナ「でも、足と胸に矢が当たりました あの傷ではさほど遠くへは・・・」

次の瞬間 わたしはヘレナに飛びついた
なぜかわからないが、涙があふれてしまった

未炎「ヘロンは怪我をしているの?どこに・・・どこに行ったの!?」

これを見て、転職官たちはとても驚いたようだ

コブシを開いて立て「おまえ・・・まさか!!」

ダークロード「暗黒の魔法使いの仲間かッ!」

ダークロードが剣を抜いた
が、わたしは気にもせず、泣きながらヘレナにすがりついた

未炎「ほんとうに!!本当に胸をうったの?」

ヘレナ「え、ええ 確かにあたりましたよ」

それを聞いてわたしはその場に崩れ落ちた

くるみん「みえーん!!」

くるみんが呼ぶ声もどんどん遠のき、わたしはまた気を失ってしまった



夜の森の奥深く、ヘロンは1人で歩いていた
胸から黒い液体がどくどくと流れていく

ヘロン(くそ・・・ この黒いヤツはいったい・・・)

それはヘロンも知らないものだったらしい
これのせいで体力がどんどん奪われていく
とうとう歩けなくなり、ヘロンはその場に座り込んだ

星空を眺めながら、ヘロンはあることを疑問に思った

ヘロン「未炎のあの行動・・・」

自分を守ろうとしたのか、それともまた違う理由なのか
あの時戦い続ければよかったのか
それとも逃げた方がよかったのか
ヘロンは一晩中考えた



そのころ
私もヘロンのことを考えていた
胸は急所 しかもあのヘレナ様の矢だったら・・・
それから なぜわたしの腕がひとりでに動き
カイリン様を刺したのか
とても不思議だった・・・
そしてふいにおもった
わたしはヘロンのことが好きなのではないかと・・・
ルディブリアムへ行く前のときもそうだ
ヘロンの言葉により、わたしもエリニア襲撃のことを考えてしまった

次の日 わたしたちはエリニアを後にした

くるみん「またどこにいくの?」

未炎「ヘロンを探しにいく」

くるみん「えぇ?」

くるみんはとてもびっくりしていたが
わたしはくるみんをおいてすたすたいってしまった
幸い ヘロンの流した血のようなもののあとがあったので
それをたどっていくことにした
だが、ただひとつ、ひっかかることあがった
考えてみればヘロンの体はとても強い
ヘレナ様の矢が胸に刺さったくらいでは
こんなに血みたいなのは流さないはずだが・・・



マーガナ「んあああっ!もうッ!!」

クリムゾンウッドにマーガナのかんだかい声が響く
この声にはわたしもびっくりした
というのも今、わたしとくるみんは
好きな場所が見れるという魔法の鏡を手に入れ、
クリムゾンウッドにヘロンがいないか探していたのだ

マーガナ「あんなところで遊んでなければこんなことにはなんなかったのに!」

レリック「仕方がないでしょう 冒険者達に捕まっていたのですから」

赤いスコープをつけたレリックがマーガナをちらりと見た

マーガナ「第一あんなよわっちいやつらなんて早く倒してしまえばよかったのよッ!」

マーガナの怒りはおさまらないようだ

サーフ「・・・だからあんなことしたのか」

マーガナ「なんのこと?」

サーフ「ヘレナのはなった弓にのろいをかけただろう・・・」

マーガナ「あー あれね ちょいと悪戯よ 遊んでたからこらしめてやったわ」

レリック「でも・・・それのせいで来るのが遅くなりますよ」

マーガナ「そんなのどうでもいいっ!」




未炎「やっぱ怪しいと思った」

くるみん「マーガナの仕業だったのね」

未炎「マーガナのは普通のヤツじゃなくてなんか体を蝕むとかそういうのかも」

くるみん「む、蝕むぅ!?」

未炎「くるみん、万病治療薬は持ってるよね」

くるみん「5個くらいあるよ」

未炎「体力がなくなる前に早くヘロンを見つけださいないと・・・」

と、ちょうどそのとき、魔法の鏡がきらりと光った
これは何かがわたしたちを別の魔法の鏡で見ている証拠だ
幸い この鏡は誰が自分たちを見ているのかもわかる
わたしとくるみんは鏡を覗き込んだ


鏡の向こうでは、誰かが魔法の鏡をのぞいていた

未炎「だれだろう 赤紫色の服を着ているね」

くるみん「赤紫色?」

未炎「それに光り輝く杖を持っているよ たぶん魔法使いみたいのかな・・・」

と、一瞬だけその人の顔が見えた

未炎「!!」

大きな桃色の瞳 額には角がはえていた




そのとき、鏡が揺らぎ、デュナスの姿は消えてしまった

未炎「あっ!は、早く秋葉原にあわせて!」

背景からして東京だということはわかったので
すぐに秋葉原をうつせた
デュナスは魔法陣をえがいているところだった
すると魔方陣はポータルのようになり、
デュナスはその中に入っていった
そのとき・・・


ドサッ


わたし達の上に何かが落ちって来た

未炎「わっ!」

わたしは何とかそれをよけたが、くるみんはそれの下敷きになってしまった
わたしはその上にのっているものをどかそうとしたが、
それを見た瞬間わたしは目玉がぶっとんだ
なんと上にのっていたのはデュナスだったのだ
おそらく、ポータルの出口がちょうどわたし達の上だったのだろう
デュナスもわたしたちを見て飛びのいた

デュナス「おのれっ!!」

いきなり攻撃しようとしたので、わたしはあわてて止めた

未炎「ま、まってよ!わたしたちが何をしたの!?」




デュナス「アシュレイを連れ去ったのはお前たちだろう!」

え?とわたしが目を丸くしていると、
次の瞬間デュナスの魔法でぶっ飛ばされた

くるみん「いったぁ〜・・・    って!?」

未炎「きゃ〜〜〜!!!!」

運悪く、わたしが飛ばされた方向にくるみんがいたので
玉突きのようにぶつかってしまった

デュナス「アシュレイを返せ!さもないと・・・」

未炎「まってよ ほんとにまって!何でわたしたちなのぉ!?」

くるみん「っていうかアシュレイって何?」

デュナス「とぼけるなっ!!」

デュナスがまた魔法陣をかき始めた





・・・今度は二人ともばらばらの方向に飛ばされてしまった
が、また引き戻され、また飛ばされた
正直とにかく目が回った


私はまたそのまま気絶してしまった
気絶するのは何回目だろうか




・・・何か声が聞こえた
少女の声だ

???「ちょっと・・・あんた達大丈夫?」

目を開けると最初に緑色の髪が見えた
次に赤い目
気が強そうだがとってもかわいらしい

未炎「あ・・・もしかしてイルヴァータ?」

なんか頭がはっきりしないまま適当に言ったが

イルヴァータ「そ よくしってるね〜」

あたってしまった
ていうかなんでイルヴァータがここに!?
私の表情を読み取ったのか
イルヴァータはにっこりと笑った

イルヴァータ「あのね デュナスが作ったポータルが残ってたから
       それを使って入ってきたの」


そういうと、イルヴァータはデュナスの方を見て
こう言った

イルヴァータ「この人たちはアシュレイを捕まえたんじゃないよ 
       も〜 デュナスは冒険者は全部アシュレイをさらったんだと
       おもってるんだよね」

イルヴァータはお姉さんみたいに肩をすくめた
そして二人は帰っていった






未炎「なんだったんだろ・・・いまの」

くるみん「さぁ・・・  ん?わたしたち今何しようとしてたんだっけ」

未炎「あっ やばい ヘロンを探そうとしてたんだよ!」

くるみん「そーーだった!!」


そしてわたしたちは再び ヘロンを探しに出かけた
魔法の鏡は場所は探せるが人を探すことはできない

未炎「ん〜ヘロンの行きそうなとこといえば・・・」

くるみん「あれ?」

くるみんが何かに気がついた

くるみん「ここらって・・・エリニア付近だよね」




未炎「そうだけど」

くるみん「じゃあ、これは・・・」

くるみんが指差した先にあったのは・・・
骨盤だった
そんなに古くはなく、少し焼け焦げていた
そのとき未炎はなにかの殺気を感じた

未炎「あぶない!!」

が、遅かった
未炎とくるみんは大勢のスケルトンに囲まれていた





ケルトン・・・
彼らのレベルはわたしたちにとっては雑魚だ。
問題なのは数、
おびただしい数で来ていたのだ。

未炎「だ、大丈夫・・・ 薬なら・・・」

言いかけたとき、スケルトンの一人が
わたしが持っていたかばんをひったくった。

くるみん「まずい!!あのかばんには薬が入っているのに!!」

未炎「ここは・・・エリニアだよね?」

不幸なことにスケルトンから逃れられるつたなどはどこにもぶら下がっていない。
唯一逃げ道といえば上のほうに木の洞があった。
洞からは太陽の光のようなものが漏れている・・・
わたしがあの高いところへいくのはセルフヘイストで簡単にできる。
しかしくるみんは魔法使いだから
体力がない上、移動速度上昇などのスキルも持っていない。
テレポートがあったが、それを使うためのMPものこりわずかだった。

くるみん「ええと・・・スケルトンからドロップするのは・・・」

未炎「豆腐、マナエリクサーだ!!」

くるみん「ま とりあえず狩ってみよう」

が、マナエリクサーがドロップしないうちに
くるみんのMPがなくなってしまった。
くるみんは必死で杖を振り回しているが、
ケルトンにはほとんどダメージを与えていないようだ。
一方わたしは、何とかトリプルスタブで
ケルトンたちを倒していた。
でも恐るべきスピードでまた次のスケルトンが出てくる・・・




くるみん「きゃあっ!!」

ケルトンの持っていた棍棒がくるみんの頭に当たった!!
くるみんはそのまま気絶、スケルトンたちに殴られていた。

未炎「くるみんに手を出すなーッ!」

わたしもくるみんのまわりにいるスケルトンをなぎ払ったが、
くるみんは傷だらけだった。
そろそろわたしも体力の限界になってきた。
と、そのとき・・・
目の前に何かが下りてきた。
美しい少女だ。

少女「あなたたち、大丈夫?」

その子はシスター服をまとっていた。
大きな目に金色の髪。

未炎「あなたは・・・?」

少女「自己紹介は後回し まずはこいつらを・・・!」

少女は手に持った剣をスケルトンたちにむけた。
すると剣は光り輝き、少女は目にも留まらぬ速さで、
同時に3人のスケルトンを倒した。
あの技は、たぶんスラッシュブラスト。
とすると、あの少女は戦士だろう。
わたしもぼけっとみている場合ではないので
戦いに参加した。


ケルトンの数が減ってきたところで、少女はくるみんの手を握り、

少女「わたしはこの子を洞まで連れて行くから、あなたは後ろから来るスケルトンを
   たおして」

未炎「は、はぁ」

なんか命令されたような変な気持ちだったが、
いわれたとおりにやった。
少女は戦士とは思えないくらいにジャンプ力がすごい。
あっという間に洞についてしまった。
わたしも何とか洞に入ることができた。

未炎「さっきはありがとう わたし未炎 あなたは?」

少女「カリア・メルトよ カリアと呼んでね」

少女はにこっと笑った。

カリア「あ、あのじつは、助けた恩とかそういうことじゃないんだけど
     よかったらわたしもグループに入れてくれない?」

カリアは少しもじもじしながらいったが、
わたしたちにとってはもう大歓迎だ。




ということでグループ員が増えたわたしたちだが、
ヘロンのことはちょっと話しづらかった。
なぜなら、カリアの話によると、彼女は幼いころに
海賊に村を占領され、命からがら逃げてきたことがあるという。
だから、海賊のヘロンを探しているなんて、とてもいえない・・・
わたしはそんなことを考えながら、しばらくうなっていた。
くるみんにもそのことはいわないようにといおうとしたとき・・・

カリア「あなたたちは何の目的で旅をしているの?」

くるみん「それがね、一人グループ員がいなくなっちゃって・・・」

カリア「へー どんな人なの?」

しまった。
口をふさぐのは何かを隠しているということだ・・・
結局カリアに全部話すことにした。
カリアがどんな反応をするかどきどきしていたが、
カリアは落ち着いて話を聞いてくれた・・・


カリア「・・・そうなの」

くるみん「それでも一緒にいてくれる?」

カリア「まぁ そのヘロンってヤツはとりあえず、私たちのことは襲わないのね?」

未炎「とりあえず、だけどね」

ヘロンのことはカリアにすべて話した。
それを聞き終わった後、カリアは静かに立ち上がり、

カリア「わかった ヘロンを探すのも手伝うわ」

といってくれた。
それを聞いた瞬間わたしとくるみんは

未炎
    「ありがとおおぉっ!!」
くるみん





今日の夜はあの木の洞で夜を明かすことになった。
薬はスケルトンたちに取られてしまったが
幸いカリアが5人分も薬を持っていた。

くるみん「こんな夜はおしゃべりが一番だよね」

未炎「くるみん 私不思議に思うことがあるんだけど」

わたしはさっきから気になっていたことがあった。


未炎「ここ エリニアだよね 何でスケルトンがここにいたんだろう」

くるみん「そういえば、スケルトンはペリオンのほうのだったわよね」

するとカリアが顔をしかめた。

カリア「やっぱり・・・!」

くるみん「どうしたの?」

カリア「わたし、冒険者がやつらに襲われていると聞いて駆けつけてきたの」

未炎「やつらって言うことは、これの原因のことを知っているの?」

カリア「ええ すこしね 最近こんなことがたくさん起きているらしいわ」

そしてカリアは深呼吸した。

カリア「・・・やつらは暗黒の魔法使いの召還獣よ」

くるみん「え!?」

未炎「だから何の前兆もなくいろいろなところに出たんだね!?」

カリア「そう 暗黒の魔法使いはビクトリアアイランドから占領するつもりよ」

くるみん「じゃ、こうしている間にもどこかで・・・」

と、くるみんが話しかけたとき、



ザーッ!!!



大きな波の音が聞こえた。
おかしい
エリニアの近くには海はないはずだが・・・
しかも海のあるノーチラスからはかなり離れている。

くるみん「津波!?」

カリア「いえ、もっと大きいわ!」

未炎「この音だと、こっちに近づいてきてる!!」

わたしたちは急いで荷物をまとめ、波の音がしたのと
反対の方向に走り出した。




そのころ、ノーチラス号は大波にかなり揺らされていた。
船の中はもうぐちゃぐちゃだ。
が、そんなゆれるノーチラス号の上に立っていたのは・・・

ヘロンだった。

こんなにもゆれているのに、バランスをたもっている。

カイリン「これもあんたの仕業!?」

甲板にカイリンが上ってきた。

カイリン「いい加減にしないと・・・!」

ヘロン「おれァこの波なんてしらねーよ ただここで見てるだけだ」

カイリン「だまりなさいっ!」

カイリンがヘロンに銃を向けたとき、船が大きく揺れた。

ヘロン「テメー 船より自分の命を心配したほうがいいぜ?」

次の瞬間、大きな波がノーチラスの甲板を襲った。
カイリンは海水を飲んだが、何とかはしごにしがみつき、流されずにすんだ。
再びヘロンに銃を向けようとしたが、そこにヘロンはいなかった。

カイリン「この波にさらわれたのか、それとも・・・」

そしてカイリンはノーチラスの中に戻った。




くるみん「ヘロン怪しいね」

わたしたちは波が来ないようなエリニアで一番高い木に登
って
魔法の鏡でこのことをみていた。
案の定、カリアは震えていた。
幼いころの記憶がよみがえったんだろうか。

未炎「大丈夫 ヘロンはたぶん悪くないと思う       よ?」

何とかカリアを慰めようとしたが、カリアは泣き出してしまった。

カリア「やっぱり 海賊は・・・」

くるみん「で、でもノーチラスのはみんないい海賊でしょ?だから・・・」

くるみんがいったが、カリアの涙は止まらなかった。

と、そのとき わたしの意識が急に遠のいた。
目の前が真っ白になり・・・頭がぼんやりしてきた・・・

これは夢だろうか・・・
水の中みたいだ。
息はできるけど 目の前がかすんでいる。
誰かがわたしを囲んでいるのかな・・・
そんなことを思っているうちに、視界がはっきりしてきた。
そして、わたしは悲鳴をあげそうになった。
なぜなら、わたしを囲んでいたのは鮫だったからだ。
4〜5匹の鮫がわたしを見下ろしている・・・
逃げようとしたが、体が動かない!
声も出せない!
が、勝手に体が動いたような気がした。
視野しかわからない まるで誰かの目で見ているものだけを見ているようだ。
わたしは部屋の中を見回しているようだ・・・
そして立ち上がり、周りの鮫を見た。

なんと、わたしは小さな鮫の頭をなでていた。
鮫はうれしそうにわたしの周りを泳ぎ・・・





ここで意識が戻ってきた。
やっぱりわたしは倒れていたようだが、
今度わたしを見下ろしているのはサメではなく
カリアとくるみんだ。
わたしは安心してそのまま寝てしまった。



あの夢、いったいなんだったんだろうか・・・






ここで6話です。以外に長かったですね!うん!!
かなり前に描いていた物なので文法崩壊だの誤字脱字だの多いと
思われます  が  なにとぞお手柔らかに。